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咳をしてもぼっち

『君の膵臓をたべたい』感想

『君の膵臓をたべたい』 住吉よる
 
君の膵臓をたべたい
 
はじめに断っておきますが、これは私個人の感想です。そこのところご了承下さい。
 
 
 
この本を購入したのは、売れ筋ランキングに入っていてタイトルに惹かれたためです。
 
 
なんとなく買って見ると帯には絶賛の嵐。
あれみたいですね。映画のCMで一般人が「この映画を観ないと一生後悔します」とか「この映画と出会って良かった」とか言って「○○サイコー!」とか言うやつ。
この帯で褒めるやつってどうなんですかね。
ハードル上がりませんか?私はどうかな、と思うのですが。購買意欲が削がれます。感動の押し売りみたいで良くない。
 
正直、読みはじめてすぐ後悔しました。
あーお涙頂戴系恋愛小説か…苦手なんだよな。
 
世界の中心で愛をさけぶ』とか『私の頭の中の消しゴム』とか『陽だまりの彼女』とか『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』とかそういう系統。どうもしっくりこない。
 
これらの本をまとめて私は感動ポルノと読んでいます。
「えーあれ読んで感動しなかったの?」
そう訊かれるとまるでこっちが冷血人間みたいじゃないか。
感動しなかったからなんなんだ。
感動の押し売りほど醜いものはない。
 
読み進めるとラノベと懐かしの携帯小説のハーフみたいな文章。
いくらデビュー作といえこれってどうなの?ってくらい拙いし、展開もありきたり。目新しいものが何も無い。
あ、でも、読みやすかった。一時間くらいでさらっと読めました。
 
あらすじをざっくりと言うと
根暗で友達がいないヤレヤレ系主人公と友達がたくさんいて可愛くて天真爛漫な少女(もうすぐ死ぬ)の心温まるヒューマンストーリー。
 
 
「人と関わりたくない僕がクラスメイトの明るくて可愛い女の子に付きまとわれてるんだがどうしたらいいんだ」みたいなね。まんまラノベじゃねーか。うるせーよ。ありえねーよ。オメーの顔見ろよ。
好きな人は好きなんでしょうけど。
そもそもヤレヤレ系主人公にイライラする時点で私はこの本に向いていなかった。
 
 
乃木坂46の『君の名は希望』みたいな世界観だな、と。
僕という存在を見つけてくれた君のおかげで世界が変わったよ、ってことなんだろうなぁ。
 
 
なんかあまりにも「死ぬ」ということを綺麗事にしすぎている気がした。1年と少し前私は父親を亡くしたが、こんな綺麗事じゃなかった。
生きることも死ぬことも泥臭い。
父親が死んだっておなかはすく。
 
愛するものが死ぬことの喪失といえば、映画『たそがれ清兵衛』において田中泯演じる余吾善右衛門が愛娘の骨を食べるというシーンがあった。
最初見た時はやりすぎでしょ、なんて思っていたのですが後悔のうえ愛するものを喪失したそんな時骨を食べてしまうのかもしれない。ありえないと思っているのになぜだか妙な説得力のあるシーン。綺麗事じゃ無いこのシーンは泥臭いからこそ説得力があるのではないでしょうか。
 
綺麗にしようとしすぎてリアリティがない。もっと生々しい感情の動きが欲しかった。感情の瑞々しい描写は良かったと思うのですが。
その割にラストがあっさりしていたんだよな。
読了後の爽やかさといえば、聞こえがいいもののそれでいいの?っていう…
 
 
正直タイトルのセンスはいいなぁ、と思います。
キャッチーじゃないですか。
『君の膵臓をたべたい』って。
もっと文章力と展開力があればなぁ…
 
『君の膵臓をたべたい』住吉よる
★✩✩✩✩ (星一つ)
デビュー作ということで期待を込めて星一つ。
次回作も合わなかったら多分買わないだろうと思います。